本章では、タイにおける主要な不動産の種類と、それぞれの特徴・投資としての考え方について解説します。
タイ不動産と一言で言っても、物件の種類によって、法的制約・収益性・リスク・出口戦略が大きく異なるため、単純に「コンドミニアムを買えばよい」という考え方は非常に危険です。
それぞれの特徴を理解し、自身の目的(投資/居住/資産保全)に応じて選択することが重要です。
コンドミニアム(Condominium)
日本でいう分譲マンションに該当します。タイにおいては、外国人が合法的に区分所有できる数少ない不動産であり、最も一般的な投資対象です。オーナーごとにお部屋のレギュレーションが異なるために、お部屋内の仕様は千差万別です。当然、階層、向き、お部屋内の仕様により、リセール金額にも相応に差がでます。
物件購入&投資としての見解(ポイント)
タイの物件クオリティは日本以下、日本の物件クオリティが良すぎることもあり、諸々を設備のトラブルが多いのが実態です。
コンドミニアムをバンコクで購入して、日系賃貸仲介業者に客付けの依頼しても顧客は日本人駐在員になります。細かく神経質な属性である日本人へのお部屋紹介については、トラブル回避のために日系賃貸仲介業者はコンドミニアムの紹介を避けている傾向が強く、むしろコンドミニアムに入居するリスクばかりを説明している業者もおみえです。
バンコクのコンドミニアムは「投資専用」ではなく「将来的な自己使用も含めた資産」として購入するのが現実的であり、そのような視点の考えにて購入することのみをお勧めします。
サービスアパートメント(Serviced Apartment)
一棟を単一オーナーまたは法人が所有し、ホテルに近い運営サービスを提供する賃貸住宅です。日本でいう賃貸RCマンションにホテルオペレーションが付加した物件とご理解いただいた方がわかりやすかもしれません。ホテルオペレーションとは、毎日もしくは週何回かのリネン交換、お部屋の清掃、ゴミ捨て、食器洗い、ランドリーサービス(着数限定が多い)、物件によっては朝食サービスなども付いております。
レセプションには、日本語の話せるタイ人スタッフがいたり、日本人が常駐している物件もあり、何かお部屋にトラブルがあっても即時対応体制が物件内で構築されており、安心して入居することができます。したがって、日系賃貸仲介業者もコンドミニアムを紹介するとオーナーと入居者との語学力(日本人が英語も話せない人多数なため)の問題があり、オーナーと直接やりとりができないようなコンドミニアムを紹介するより、サービスアパートメントを紹介した方が、手離れがよく、サービスアパートメントを紹介する傾向が近年より強くなっております。
投資としての見解(ポイント)
こちらは一棟所有する必要があるために、相応の資金が必要になります。ただ、営業&マーケティング次第では、安定した収益を生み出すことができるため、日本法人が資金調達を行い参入するケースもあります。弊社も以前、バンコクトンローにして46室の物件を所有・運営をしておりました。
ホテルレジデンス(Hotel Residence)
ホテルと住宅の中間的な位置づけの不動産です。一般的なホテルなのですが、お部屋にキッチン、洗濯機などの設備が付いており、ホテルユニットではありますが長期滞在できるような仕様になっております。ホテルライフを楽しみながら、長期滞在できる物件として、家賃バジェットの高い日系も含む外資系駐在員には非常に人気があります。前述のサービスアパートメントより、月額家賃は高額になる傾向があります。
投資としての見解(ポイント)
こちらも一棟丸ごと所有する必要があるために、相応の資金が必要になります。市場調査を綿密に行い、相応の金額で購入できれば、バンコク及びパタヤのような一大観光都市であれば、不動産価値としては充分に採算の取れる物件情報はございます。不動産購入というより「ホテル事業」をM&Aにて購入ということを想定いただいたほうがいいと思います。
ヴィラ&プールヴィラ(Villa / Pool Villa)
ヴィラとは、土地付き一戸建てのことをいい、プールヴィラとは、単純にヴィラにプール併設の物件をいいます。パタヤなどのリゾート地では、プールヴィラは大変人気です。近年建築されたコンドミニアムは、2ベットまでの物件が多く、3ベット以上の物件を必要としているようなファミリー層は、プールヴィラを借りたり、購入したりして住むケースが多くみられます。
ただし、次章にて詳しく説明させていただきますが、基本的には土地付き一戸建ては外国人は購入することができません。タイ法人を設立して購入するなど特殊な方法で外国人が所有しているケースもございます。こちら詳細のご説明は弊社では対面でのみとさせていただいております。
投資としての見解(ポイント)
一般のコンドミニアムより高利回りになる傾向が強く、数年前まで中国人エージェントを中心にタイ法人スキームを利用して、外国人購入を斡旋している業者も多数いましたが、近年のノミニー法(外国人事業法)規制厳格化もあり、いまだに投資物件としては人気ですが、従来よりグレーな部分は払拭できないため、リスクを伴う投資になっております。
ただし、現地に管理体制があり、タイ法人をすでに所有しており、資本金、株主などの規制もクリアーになっている方にとっては、パタヤなどのリゾート地では高利回りな不動産投資案件となり、魅力的な不動産投資となります。
次章にて、外国人の土地所有規制にて詳しく触れます。
